史上最高の獲得賞金2億6573万16円
女子プロゴルフの国内ツアーは11月24日に桑木志帆の優勝で幕を閉じた「JLPGAツアー選手権リコー杯」で2024年の全37試合が終了した。
年間女王は8勝を挙げた竹田麗央(21)。メルセデス・ポイントは3744.30pt、獲得賞金は2億6573万16円で、2020-21年シーズンの稲見萌寧が記録した2億5519万2049円を更新する史上最高額となった。
女子ゴルフでは2022年から大会によって金額の違う賞金ではなく、メルセデス・ポイントによるランキングで年間女王を決めている。改めてこれまでの年間女王を振り返ってみたい。
樋口久子、岡本綾子、不動裕理らが名を連ねる
1967年の第1期女子プロテストに合格した樋口久子は翌1968年に35万円で賞金女王に輝くと、1976年まで9年連続女王。1977年にはアジア人初のメジャー制覇となる全米女子プロゴルフ選手権優勝を果たし、1978、79年にも女王に輝いた。
岡本綾子は1981年に初の賞金女王に輝き、獲得賞金も史上初の3000万円を突破。翌1982年からアメリカLPGAツアーに本格参戦し、1987年にはアメリカ人以外で史上初めてとなるLPGAツアー賞金女王に輝いている。
1980年代に強さを発揮したのは台湾出身の涂阿玉。1982年から5年連続を含む計7回も女王となった。
1990年代に入ると新戦力が台頭。平瀬真由美が93、94年、福嶋晃子が96、97年、服部道子が98年、村口史子が99年に女王となった。
2000年代は不動裕理の時代に突入。初めて賞金1億円を超え、6年連続の女王に輝いた。さらに2006年は大山志保、2007年は上田桃子、2008年は古閑美保、2009年は横峯さくらと人気ゴルファーが女王となり、女子ゴルフ界に大きなムーブメントが巻き起こる。
ただ、その中心にいた宮里藍は2006年からアメリカを主戦場にしたこともあり国内の女王には就いていない。2010年には日本人初の世界ランキング1位となり、2017年に惜しまれながら引退した。
2015年イ・ボミは初めて2億円突破
2010年以降は韓国勢が席巻。アン・ソンジュは4度の女王に輝き、2012年は全美貞が初の女王となった。
初めて2億円を突破したのが2015年に7勝を挙げたイ・ボミ。韓国と日本の両ツアーでの賞金女王は史上初だった。
韓国勢に一矢報いたのが鈴木愛。2017年と2019年の2度、女王に輝いている。コロナ禍で統合された2020-21年は稲見萌寧が2億5519万2049円を獲得。2021年8月の東京五輪にも出場し、銀メダルに輝いた。
2022年から2年連続女王となったのが山下美夢有。2024年は竹田麗央に女王の座を譲ったものの、3199.18ptでメルセデス・ランキング2位だった。
2025年は竹田麗央が米ツアー挑戦し、山下美夢有やメルセデス・ランキング3位の岩井明愛と同5位の岩井千怜姉妹も米ツアー最終予選会にエントリー。「空洞化」も懸念されるが、国内ツアーを盛り上げるニューヒロインの出現が期待される。
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